
深刻化する空き家問題とは?
過去最高を更新し続ける空き家数の現状
「実家が空き家になってしまったけれど、どうしたらいいかわからない」
そんな悩みを抱える方が増えています。日本では空き家の数が年々増加し、深刻な社会問題となっています。
適切に管理されない空き家は、倒壊や火災、犯罪の温床になるなど、地域全体に悪影響を及ぼしかねません。
過去最高を更新し続ける空き家数の現状
総務省が発表した「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家数は約900万戸に達しました。
これは住宅全体の13.8%、およそ7軒に1軒が空き家という計算になります。空き家数・空き家率ともに過去最高の水準です。
2018年時点では約849万戸だった空き家は、わずか5年間で約51万戸も増加しました。
千葉県においても空き家数は約39万4000戸と過去最多を更新しています。
放置空き家は約15万9000戸にのぼり、5年前から約1万4000戸も増えています。
都心に近い北西部では住宅開発が進む一方、高齢化が進む地域では放置された空き家が増え続けているのが実情です。
出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査(速報集計)結果」
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/g_kekka.pdf
出典:千葉県「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」
https://www.pref.chiba.lg.jp/toukei/toukeidata/jutakutochi/r5/documents/r5jutaku-kekka1.pdf
なぜ空き家は増え続けるのか
過去最高を更新し続ける空き家数の現状
空き家が増加する背景には、いくつかの要因が絡み合っています。まず挙げられるのが、人口減少と少子高齢化です。地方では子世代が都市部へ移り住み、親世代だけが実家に残るケースが少なくありません。親が高齢になり施設へ入所したり亡くなったりすると、その家は空き家になります。相続した子世代も遠方に住んでいるため、どう活用すればいいかわからないまま放置されてしまうことが多いのです。
また、日本特有の「新築信仰」も要因の一つです。人口が減っているにもかかわらず、毎年80万戸以上の新築住宅が建てられ続けています。中古住宅よりも新築を好む傾向が根強いため、古い住宅は買い手がつかず、空き家として残り続けてしまいます。さらに、税制上の問題も見逃せません。土地に住宅が建っていると固定資産税が最大6分の1に軽減される特例があるため、「更地にすると税金が上がるなら、空き家のまま残しておこう」と考える所有者も少なくありません。
放置された空き家が引き起こすリスク
管理されずに放置された空き家は、所有者だけでなく地域全体にさまざまなリスクをもたらします。人が住まなくなった家は急速に老朽化が進み、地震や台風で倒壊する危険性が高まります。もし隣の家に被害を与えてしまった場合、所有者が損害賠償を求められることもあります。また、庭木や雑草が伸び放題になると景観が悪くなり、害虫や害獣が発生して近隣に迷惑をかけることもあります。
人の出入りがなく暗い空き家は、放火の標的になりやすいとも言われています。不法投棄されたゴミや枯れた雑草が燃えやすい状態を作り、火災のリスクを高めてしまいます。犯罪者の潜伏場所として悪用されるケースも報告されており、地域の治安にも悪影響を及ぼします。
2015年に施行された空き家対策特別措置法では、倒壊の危険がある空き家などを「特定空家」に指定し、行政が所有者に改善を求められるようになりました。
指導に従わない場合は、強制的に取り壊されることもあります。
空き家問題の解決に向けた取り組み
空き家問題の解決には、行政・民間・地域が協力して取り組むことが欠かせません。
全国約600以上の自治体が「空き家バンク」を運営しています。これは、空き家を売りたい・貸したい人と、買いたい・借りたい人をマッチングする取り組みです。リフォーム費用や解体費用を補助する制度を設ける自治体も増えており、所有者が一歩を踏み出しやすい環境が整いつつあります。民間企業による空き家の買取・再生ビジネスも広がっています。古い空き家をリノベーションし、民泊施設やコミュニティスペースとして生まれ変わらせる事例も各地で出てきました。空き家を地域の資源として活かす動きが加速しています。

空き家のことならオハナホームにおまかせください
「想いをつなぎ、笑顔をつくる。」私たちの取り組み
オハナホームが大切にしているのは、空き家の買取から再生、そして再び誰かの住まいとして活用される「未来につなぐこと」です。単に「壊す」だけでなく、「残す」「つなぐ」という選択肢を生み出し、誰かの記憶が宿る家がまた別の誰かの暮らしを支える場所になる。そんな循環を目指しています。空き家の問題は、所有者にとっても心の負担が大きいものです。思い出のある実家を手放すことへの抵抗感、相続をきっかけにした家族間の意見の食い違いなど、簡単には解決できない事情を抱えている方も多くいらっしゃいます。私たちは、空き家という社会問題と真摯に向き合いながら、関わるすべての人々が笑顔になれる空き家対策の実現を目指して、これからも活動を続けてまいります。