空き家を残さない終活のススメ

終活と聞くと、葬儀やお墓の準備を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、家族が最も頭を悩ませるのは「残された家をどうするか」という問題だと言われています。

誰も住まなくなった実家は、年月とともに傷み、税金や管理費だけがかさむ「負動産」へと変わりかねません。大切な我が家を家族の重荷にしないために、今からできる備えとは何か。

本記事では、住まいに焦点を当てた終活のポイントと具体策を解説します。

なぜ今、住まいの終活が求められているのか

総務省の調査によると、全国の空き家数は約900万戸にのぼり、この30年間でほぼ倍増しています。空き家の増加は過疎地だけの問題ではなく、都市部や郊外のベッドタウンでも同様に進んでおり、もはやどの地域に住んでいても他人事とは言えない状況です。

出典:総務省統計局「住宅・土地統計調査」

空き家が増え続ける背景には、少子高齢化と核家族化があります。地方で親世代が暮らしていた家を、都市部に移住した子世代が受け継がないケースが典型的です。一人暮らしの高齢者が亡くなった後、その家を引き継ぐ人がいないまま放置されてしまう事例も後を絶ちません。

管理されなくなった空き家は、建物の老朽化による倒壊や火災のリスク、不法侵入や犯罪の温床となる治安上のリスクを抱えます。さらに自治体から「特定空家」に指定されれば、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性もあります。かつて家族の財産だった家が、持っているだけで税金や管理費がかさむ「負動産」に変わってしまうのです。

こうした事態を避けるためにも、元気なうちから住まいの終活に取り組むことが欠かせません。

空き家を残さないために取り組みたい3つの備え

空き家の発生を防ぐには、「いつか考えよう」ではなく、体力や判断力があるうちに動き始めることが何より大切です。ただし、住まいの終活は一度にすべてを片付ける必要はありません。

  • 家族との対話
  • 身の回りの整理
  • 将来の方針決定

これらの3つのステップを、できるところから少しずつ進めていけば、自分にも家族にも無理のない形で備えられます。ここでは、それぞれのステップで押さえておきたいポイントを紹介します。

家族との対話で「家の未来」を共有する

住まいの終活で最も大切なのは、家族同士で率直に話し合うことです。「将来この家をどうするか」という話題は親にとっても子にとってもデリケートですが、先送りにするほど選択肢は狭まります。

帰省の機会や何気ない日常会話の中で、「この家、将来どうしようか」と切り出すだけでも十分なきっかけになります。一般社団法人空き家再生協会が制作した「おうち終活ノート」は、家主用と家族用のシートに分かれており、それぞれが家への想いや希望を書き出して共有できる構成になっています。このノートは国土交通省の空き家対策モデル事業にも採択されており、家族間の共通認識づくりに役立つツールとして注目されています。

生前整理と不動産情報の棚卸しを進める

家の中にある膨大な家財道具を、高齢になってから一気に片付けるのは体力的にも精神的にも大きな負担です。「今日はこの棚だけ」「次は押入れ」といったように、少しずつ取り組むのが無理のない進め方でしょう。

物の整理と並行して、不動産に関する情報の棚卸しも重要です。自宅の登記名義は誰になっているか、住宅ローンの残債はあるか、固定資産税はいくらかかっているか。こうした基本情報を一覧にしておくと、いざというとき家族が慌てずに済みます。

2024年4月から相続登記が義務化されたこともあり、名義が親のままになっている場合は早めの対応が必要です。不明点があれば司法書士や税理士など専門家の力を借りることで、手続きの漏れやミスを防げます。

住まいの将来方針を決め、法的に備える

情報を整理したら、家を最終的にどうするか方針を定めましょう。住み続けるなら、自分の死後に管理や処分を担う人を決めておく必要があります。身寄りがない場合は、信頼できる第三者と「死後事務委任契約」を結んでおけば、住まいの明け渡しや遺品整理まで委ねることも可能です。

一方、生前に家を手放す選択肢も現実的です。コンパクトな住まいへの住み替えや、自宅を売却した上で賃貸として住み続ける「リースバック」、自宅を担保に融資を受ける「リバースモーゲージ」など、暮らし方に合わせた方法が増えています。

どの方針を選ぶにしても、遺言書で自宅の処遇を明記しておくことが重要です。法定相続人が複数いる場合でも、遺言で受け継ぐ人を指定しておけば遺産分割協議を経ずに名義変更が可能になり、相続トラブルの予防につながります。不動産を含む遺言は、形式不備のリスクが少ない公正証書遺言で作成しておくと安心です。

専門家の力を借りて、家族の負担を減らす

住まいの終活は、本人だけで完結するものではありません。不動産の査定、相続税の試算、登記手続き、家財の処分など多岐にわたるため、各分野の専門家と連携しながら進めることが成功のカギになります。

近年は空き家問題に特化した専門サービスも充実してきました。たとえば千葉県のオハナホーム株式会社では、「相続診断士」や「終活カウンセラー」「空き家再生士」の資格を持つスタッフが在籍し、空き家や相続に関する悩みにワンストップで対応しています。家財が残ったままでも、建物が古く傷んでいても、そのままの状態で査定・買取・片付け・再生までを一括で引き受けてくれるため、家族の精神的・肉体的な負担は大幅に軽減されるでしょう。

「空き家再生を通して日本中を笑顔に」という理念のもと、所有者の想いを未来につなぐパートナーとして活動する同社のような存在は、住まいの終活を進めるうえで心強い味方になるはずです。

空き家を残さない終活とは、自分自身の安心と、家族への思いやり、そして地域社会への貢献が重なる取り組みです。「まだ先のこと」と思わず、今日できる小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。

 

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