実家の相続は、親が亡くなってから考えればよいと思われがちです。ところが相続が起きてから慌てて話し合うと、兄弟姉妹の意見が分かれたり、管理する人が決まらなかったりして、実家が空き家のまま取り残されることがあります。
実家は財産であると同時に、家族の思い出が刻まれた場所です。だからこそ感情と現実が絡み合い、判断が難しくなります。
揉めごとを避ける鍵は、親が元気なうちに家族で実家の未来を共有しておくことにあります。空き家になる前に何を話し合えばよいのか、順に整理していきます。
実家の相続が揉めやすい本当の理由
実家相続で対立が起きるのは、家族仲が悪いからとは限りません。最大の要因は、不動産が現金のように分けにくい財産である点にあります。
預金なら金額で分配できますが、家は一軒しかありません。誰かが住むのか、売って分けるのか、共有名義にするのかで、相続人それぞれの負担と利益が変わってしまいます。
さらに、兄弟姉妹の立場の違いも見過ごせません。親と同居していた人と遠方で暮らしていた人、介護を担った人とほとんど関われなかった人とでは、実家への想いも管理への意識も同じではありません。その差が、相続のときに一気に表面化します。
そして、親の希望が伝わっていないことも対立の火種になります。「売ってよいのか」「解体してよいのか」が分からないまま、子どもは罪悪感と現実のはざまで立ち止まってしまいます。
空き家になる前に話し合うべき理由
総務省の調査によると、2023年の空き家数は900万戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最多となりました。空き家の数は、この30年でおよそ2倍に増えています。
出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計結果」
そして政府広報オンラインによると、空き家が生まれる原因の半数以上は相続にあるとされています。親が施設へ入る、入院する、亡くなる。そうした節目の前に話し合えていないと、誰も住まず誰も決められない家が残ってしまいます。
出典:政府広報オンライン「空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を!」
放置された家は、老朽化や雑草の繁茂、近隣トラブルといった問題を抱え込みます。手入れが行き届かない期間が長いほど、売却や賃貸といった選択肢も狭まってしまいます。
加えて、2024年4月から相続登記が義務化されました。取得を知った日から3年以内に登記をせず、正当な理由もない場合は、10万円以下の過料が科されることがあります。名義をそのままにすれば、将来の売却や活用にも支障が出かねません。判断能力があり、希望を言葉にできる今だからこそ、選べる対策は多く残されています。
家族で共有しておきたいことと相談先
話し合いは、財産の分け方を決める交渉ではなく、親の想いを聞く場にすると進めやすくなります。「相続」という言葉が重ければ、「これからの暮らし」や「家の片付け」といった切り口から始めるとよいでしょう。
確認しておきたいのは、親は実家をどうしたいのか、誰が住み継ぐ可能性があるのか、固定資産税や管理費を誰が負担するのか、といった点です。家財や仏壇の扱い、登記名義の状態も早めに整理しておくと安心できます。
特に管理については、見に行く人と費用を負担する人を分けて考える必要があります。近くに住む家族だけに手間と出費が偏ると、不公平感が生まれ、後々の不満につながりかねません。
もっとも、売却・賃貸・リフォーム・解体のどれが現実的かは、建物の状態や立地、家族の事情によって異なります。家族だけで結論を出そうとすると行き詰まることも少なくありません。
オハナホームには、空き家再生士と相続診断士が在籍しています。残置物が残ったままの実家や古屋付きの状態でも相談でき、買取り、遺品整理、他社見積もりのセカンドオピニオンまで対応しています。
「空き家再生を通して日本中を笑顔に」を掲げる私たちは、ご家族の想いを丁寧に伺いながら、納得できる選択肢を一緒に探します。実家を空き家にしないために、まずは「これから家をどうするか」を話し合うことから始めてみませんか。