「見た目だけだと思う」「日陰だからこうなるんですかね?」
千葉で空き家のご相談を受けていると、よく聞く言葉です。そう思いたくなる気持ちは、よく分かります。
ただ、家の奥で起きていることが、外から見えるところにサインとして出ていることがあります。
外から見て分かる3つのサイン
外壁のひび
外壁のひびには、表面だけのものと、建物にかかる力が表れているものがあります。
気にしてほしいのは、窓のまわりです。斜めのひびが交差するように走っていたら、構造に負荷がかかっているときに出やすい形です。
軒天の黒ずみとふやけ
軒天は、屋根の軒先を下から見上げたときに見える、天井のような部分です。
黒ずんでいるだけなら、汚れのこともあります。表面がふやけていたら、それは水を含んだサインです。屋根まわりからの雨水や、雨どいの排水不良で起きることがあります。
玄関ドアの閉まりにくさ
ドアは、枠に合わせて作られています。
大きく歪んで閉まりにくいときは、ドアを支える家のほうが動いていることがあります。建物の傾きや基礎の沈下が、ドアに表れている場合です。
家の中で気づけるサイン
傷みが進んで、中に入るのが危ない家もあります。家の中のことは、安全に入れる範囲だけにしてください。屋根や軒の上には上らないでください。屋根裏や床下は、ご家族が自分で入らず、専門の人に任せてください。床下は特に、衛生面の注意が要ります。
家の中で気づきやすいのは、床の傾きです。歩いていて、なんとなく傾いていると感じたら、その感覚は大事にしてください。
僕が現地でまずするのは、レーザーで床の傾きを測ることです。何か所かで測って、同じ方向に傾いているかを見ることもあります。感じた違和感を、確かめられる事実に変えるためです。
屋根裏の梁が黒くなってカビが密集していた、床下に強い湿気があって動物の糞が多かった、というご相談もあります。
表面だけ直すと、同じところにまた出てくる
サインに気づいたとき、まず浮かぶのは「きれいにすれば済むかな」だと思います。
ひびは、塗装やコーキングで埋められます。軒天は塗り直せます。ドアは新しい扉に替えられます。どれも、見た目は戻ります。
でも、原因が残っていれば、同じことがまた起きます。水の通り道が残れば、軒天は同じ場所がまた黒ずみます。家のほうが動いていれば、新しい扉もまた合わなくなります。
梁も同じです。黒いところを削っても、弱くなった部分は戻りません。削り方によっては、断面が細くなって強度に影響することもあります。
床下も、掃除だけでは片づきません。動物の入口がふさがれていなければ、また戻ってきます。湿気が残れば、木部の傷みやカビはその後も進みます。
どこからが、専門家に見てもらう段階か
ここまでのサインは、どれも家を支える部分か、水の通り道に関わるものです。
- 窓まわりの斜めのひび
- 床の傾き、玄関ドアの大きな歪み
- 梁の黒ずみやカビ
- 軒天のふやけ、床下の強い湿気
見た目だけでは原因が分かりません。建築士など建物の専門家に見てもらう段階です。
気づいたサインは、スマホで写真に撮って、どこで何に気づいたかをメモしておいてください。外から安全に撮れる範囲で構いません。調べる人が、どこから見ればいいかの手がかりになります。
怖がらせたいわけではありません。確かめた結果、思ったより軽かったと分かって安心できることもあります。扉だけの問題だと分かれば、安心して交換すればいいと思います。
表面の不具合を直すことと、原因を確かめること。順番としては、原因の確認が先だと思っています。
まだ決めていない段階でも
直すのか、手放すのか、まだ何も決めていない段階でも相談してください。気になったサインの話から、一緒に整理します。
電話:0120-087-255(受付 9:00〜17:00・日祝休み)
フォーム:https://ohanahome.jp/contact/
執筆:空き家再生士 きくちまさお(オハナホーム株式会社 代表)